心に響く 歌と詩 そして物語を書き綴っています。


by key_bo

夢は終わらない

かばんにつめた あふれる夢を
君は誰にもつたえられない

泣きたいくらい 冷たい空が
見果てぬほど 遠くに見える

たった一つの 君の世界
誰よりも特別な明日がきっとあるから

いつまでも いつまでも 夢を追いかけ、
壊れそうな時もあきらめたりしないで

どこまでも どこまでも 果てしない空、
信じている限り、夢は終わらない


ポケット一杯 夢を集めて
地図も持たずに 飛び出してみよう

眩しいほど 輝く瞳
君だけの 大切な何かを知っているから

いつまでも いつまでも 夢に向かって、
くじけそうな時も 走るのを止めないで

限りない 限りない 君の世界を、
その手につかむまで 夢は終わらない


いつまでも いつまでも 夢を追いかけ、
壊れそうな時もあきらめたりしないで

どこまでも どこまでも 果てしない空、
信じている限り、夢は終わらない


歌:武内千佳 作曲:山田直毅
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# by key_bo | 2011-05-23 03:45

星の指輪

髪をとかし化粧して 一番好きな服を着て
子供達 お袋あずけて 出かけよう 今夜

歩こう 雨上がりの街 踊ろう 夜が明けるまで

ほら 誰もが振り返るよ 君のことを
今も変わらず 俺 君に恋している

ねえ 一番きれいな君を知ってるから・・・


若い頃の計画なんて もう思い出せない
忙しいだけの仕事に 追われているうちに
時には 貧しさの中 夢見る心 捨てたけど

君がいなきゃ たとえすべて手にしても
うつろで孤独な日々が続くだけさ

ねえ 一番大事なものを気づいたから・・・


贈ろう 夜明け前の空に 輝く 星を指輪にして

ほら 誰もが振り返るよ 君のことを
今も変わらず 俺 君に恋している

ねえ 一番きれいな君を知ってるから・・・

ほら 誰もが振り返るよ 君のことを
今も変わらず 俺 君に恋している

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# by key_bo | 2010-08-13 04:05

テスト

広告出るかな?
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# by key_bo | 2010-07-02 11:30
誕生日おめでとう、素敵な貴女へ

6月24日 また、ひとつ無事にこの日を迎えましたね。
素敵な貴女が、この世に生まれて来た日を祝して

お誕生日おめでとう!

この一年は、『不安だけど嬉しい出来事』がありましたよね。
そのお祝いもかねて、いつまでも枯れないこの花を贈ります。

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貴女への贈り物を探していたお店で、このカーネーションに目がとまりました。

カーネーションという花は、元々が枯れにくく、花びらが落ちるような
枯れ方をせず、しおれていく、だから、母の日に贈り花として使われるという話を
聞いたときに、私の貴女への気持ちと同じような気がしました。
そして、いつまでも枯れないでいつまでも素敵な女性でいてほしいと願いとも
重なりました。

お店の中で、この花に出会ったときに、他にもたくさん素敵で綺麗な花も
たくさんあったのに、この花の事が頭から離れませんでした。

花の存在も、その花の色も、まさに私のとっての
貴女そのものだったから…。

去年、贈り物をしたときに

「そんなに気を使わなくてもいいよ」

って言っていたけれど、決して気を使っているんではないんです。
これを贈りたいと思ったのが自分の気持ちなのです。
今年は、何も言わずに嬉しそうに受け取ってくれましたね。
本当にありがとう。

今年は、貴女と共通の話題で話ができたのが嬉しかったぁ。
自分なりにレクチャーしたことが、いつかでも貴女の役に立てばいいのだけれど…
でも、こんなに幸せな気持ちは久しぶりです。

きょう、貴女にも話したけれど、昔からそうだけれど
貴女と逢うと、そして話をしていると、胸の中にある何かモヤモヤとした
嫌なものが、す~っと消えるようになくなっていきます。

だから、未だに貴女のことを心の中で想っているのjかもしれません。

そして、そんな貴女のことを想っていると幸せな気持ちになれるのかも知れません。

きっと、自分の命が尽きるまでこの気持ちは変わらないでしょう。

一番大切なひと、それは『あなた』

すべての愛が、あなたから始まる

6月24日は、そんな大切なあなたの命がこの世に生まれた日
そして、ここまで無事にその命が輝き続けてきたことを祝う日です。

本当に、お誕生日おめでとう!

これからいくつの月日を重ねても、
素敵な、ステキな貴女でいてください。
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# by key_bo | 2010-06-24 01:21 | 6月24日生まれの貴女へ
シンリンオオカミとの戦いで、大怪我をおったライオンは流れ着いた湖のほとりで、
動物が大好きな牧場にすむ娘ジェーンに助けられました。

干草小屋の片隅で、干草の上に寝かされたライオンは目が覚めました。

「よかった…、もう駄目かなとおもっちゃった…。」

そういったジェーンの瞳からは、綺麗な涙が溢れていました。
干草小屋の天窓からさす光でその涙がきらりと輝きました。
その雫がライオンの頬の上に落ちると、スーッとにじんできて
ライオンにもその感触がわかりました。

『なぜ、人間は泣くのか、いやそもそも僕は何故人間に助けられたのか?』

涙を流すジェーンを見てライオンはそうおもいました。
不思議とジェーンが居る前では、ライオンがそれまで持っていた人間を憎む気持ちは消えていました。

ライオンは首の傷が痛んで、まだまだ起き上がれません。
そんなライオンをジェーンは優しくなでていきます。

「ジェーンおねえちゃん、僕もライオンさんにさわってもいい?」

ジェーンの甥っ子のマイケルが聞きました。

「そうねぇ、怪我をしているところ以外なら…、そうねお手てなら大丈夫かな」

「うん、傷のところにさわったらいたいんもんね」

「じゃ、こっちおいで」

ジェーンが優しくライオンの前足を持って、マイケルの前に差し出します。
マイケルは、恐る恐る毛むくじゃらの前足をナデナデしました。

「マイケル、ほら見てご覧。肉球が大きいでしょ」

マイケルが、不思議そうにライオンの足の肉球を指でつつきます。

「わー、大きいけどプニプニしてて柔らかぁい」

牧場に居る牛や馬の蹄とは違うし、鶏の足とも違う、猫や犬の肉球よりも大きくて、ライオンのような大きな脚を見たのも初めてです。マイケルはそれが、不思議で、楽しくって、ついついはしゃいでしまいました。

ライオンは、マイケルのその姿をみて、かにさんの子供のこがにちゃんたちが自分の大きな体ではしゃぎ回っていたときのことや子羊ちゃんがはしゃいでいた様子を思い出していました。

『かにさんたち、どうしているかなぁ、元気かなぁ…』


ジェーンが優しく声をかけます。

「さぁ、もう少しここでおやすみなさい。」

その言葉にライオンはゆっくり目を閉じました。

…………………………………………………………………………
どのくらい眠ったことでしょう。
干草小屋の窓からこぼれる朝の光りがライオンの鼻をくすぐるように照らします。
いつかずっと昔に味わったようなその感覚にふと目が覚めました。

『ここは…、そうか人間に助けられたんだ…』

首に巻かれた布が傷口を守ってくれています。ライオンはゆっくりと立ち上がりました。
首の傷が痛んで、かつてのようにしっかりと立つことは出来ません。歩くためにはまずは首の怪我を治さないと何も出来ません。

光りがこぼれる窓辺から、小鳥が舞い降りてきました。
ジェーンが森で怪我をして飛べなくなっていたところを助けられたシーラです。


「あなたもジェーンに助けられたの?」

「君は誰だい?」

「私の名前はシーラ、あなた、ライオンって言うんですってね。」

「あぁ、僕はライオン、よくわからないけどどうやら人間に助けられたみたいだ」

「ジェーンが助けてくれたのよ」

「ジェーン?」

「あなたを見つけてくれた人間の女の人よ。私も森の中で怖い奴に襲われて怪我をしたの、それをジェーンが助けてくれたのよ」

「そうなんだ、人間って悪い奴ばかりだと思っていたよ」

「ジェーンはいい人間よ、森の中で怪我をした動物を手当てをして助けているの」

「じゃ、僕も助けられたのか」

「あなたをここに運んでくるときは大変だったみたいだわ、男の人が何人もかかって運んでいたわ」

ライオンは、ジェーンが何故怪我をした自分が助けたのかがわかりませんでした。
いや、そもそもライオン自身に、ジェーンに対する憎しみや恨みの気持ちが沸いてこないのが自分でも不思議でした。
そんなことを考えながら、ゆっくりとまぶたを閉じてまたライオンは眠りにつきました。


干草小屋の入り口の柱の陰から小さな耳が見えています。
そ~っと目玉と可愛い耳を覗かせて、小さな子猫たちが見ています。

「ほら、あれがライオンっていうのらしいよ」

「うちの父ちゃんよりも、体がデッカイなぁ」

「なんだか大きくて怖いなぁ」

牧場で飼われている子猫のシロ・ゴロ・ハナです。
牧場の動物のみんなが噂話をしているのを聞いて、干草小屋まで探検しに来たのです。

寝ているライオンの姿を見て、人懐こいゴロが駆け出します。

「おい!ゴロ、何してるんだよ」

「危ないよ」

「大丈夫さ、平気だよ」

ゴロは寝ているライオンの大きな顔の前に言って呼びかけます。

「ライオンさん。ライオンのおじさん!」

その可愛い声でライオンは目が覚めました。

「やぁ、おはよう。君は誰だい?」

「ボク?ボクはね、ゴロって言うんだ。向こうにいるのが、シロとハナっていうんだ。僕の兄弟なんだよ」

離れたシロとハナの方をみてライオンは挨拶をしました。

「こんにちは」

シロとハナは、ビクッと驚いて、柱の陰に隠れました。
微笑むように柔らかい表情でライオンはいいました。

「そんなに怖がらなくても何にもしないよ」

「ねぇねぇ、おじちゃんの名前は?」

「名前?名前ってなんだい?僕にそんなものないよ。ライオンだよ」

「じゃぁ、ジェーンお姉ちゃんに付けてもらうといいよ」

「その『名前』ってのをかい?」

「ボクからもジェーンおねえちゃんに頼んであげるから」

「うん、そうかい。つけてくれるといいな」

「きっと、ライオンのおじちゃんに似合うかっこいい名前をつけてくれるよ」

ライオンは、自分が小さくなったようなゴロの姿をみて不思議に感じていました。
思えば、自分は小さいころは誰にでも話しかけるゴロのような行動をしていたことを思い出していました。
でも、ライオンは続けてこう思ったのです。

『自分はいつからこんな役立たずな存在になってんだろう』

子猫のゴロが無邪気にライオンに話しかけます。

「ライオンのおじちゃんの体って大っきいなぁ、僕たちのお父ちゃんも体がでっかいけどライオンさんには敵わないや」

「お父さんがいるのかい、お母さんは?」

「お母ちゃんもいるよ、うちのお母ちゃんは美人なんだよ。そこいらの猫なんか目じゃないよ」

「そうなんだ」

「ライオンのおじちゃん、うちのお母ちゃんのこと、お嫁さんには出来ないからね」

「ははは、僕は君のお母さんをお嫁さんには出来ないよ、ライオンだからね」

「でもね、時々よそのオスが来て、お母ちゃんを狙ってくるんだ。そのたびにお父ちゃんが戦ってお母ちゃんを守っているんだ」

「僕はおっきくなったら、お父ちゃんみたいに強くなってうちのお母ちゃんを守ってあげるんだ!」

「君は、お父さんもお母さんのことも大好きなんだね」

ライオンは、自分のお母さんのことやかにさんや羊のお母さんのことを思い出していました。
そこへ、ジェーンが干草小屋に入ってきました。
ジロもゴロもハナも嬉しそうにジェーンの足元へいっせいにまとわりつきます。

「あらあら、あなたたちライオンさんにご挨拶?感心ね」

ジェーンの手には、大きな肉の塊。ライオンの餌になる肉を持ってきてくれたのです。

「あなたが食べそうなお肉はこれしかないけど、今日は我慢してね。」

お腹のすいていたライオンは、むしゃぶりつく様に食べ始めました。
その肉に子猫たちが同じようにむしゃぶりつこうとしますが、ジェーンがひょいとジロ・ゴロ・ハナを腕に抱えあげてしまいました。
いくら、ライオンが大人しいとはいえ、餌をを食べるときには子猫たちを傷つけてしまうしまうかもしれないからです。

ジェーンは餌を食べているライオンの横で、干草を敷いてライオンに語り始めました。



物語 7 へ続く
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# by key_bo | 2010-06-20 18:37 | はぐれたライオンの物語 第2巻

誕生日おめでとう、素敵な貴女へ

6月24日

今年も無事にこの日を迎えましたね。
改めて…

お誕生日おめでとう!

素敵な貴女が、この世に生まれて来た日を祝して
そして、今年もまた無事にこの日を迎えられたことを
祝して、いつまでも枯れない花を贈ります。

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贈ったこの花の色をみて、貴女が

「この花、私の好きな色よ」

って言っくれたとき、とても嬉しかった。
この花の色たちは、私の心の中にある
ステキな貴女をイメージして選んだ色だったから。
私のとっての貴女の色だったから…
こんなに幸せな気持ちは久しぶりです。


あなたと再会して3年経ちました。
月日を重ねた証は刻まれていたけれど、昔のまま明るくて
そして、自分に対する気持ちも態度も変わらない
そんな素敵なあなたがいました。

私は貴女に再会して気づきました。
今、「いいな」と心に想う女性も居るけれど
貴女に再会するまでにお付き合いした人もあったけど

そんな自分の中のすべての愛が貴女から始まっていることを…

そして、貴女を想う気持ちは、自分の中では
一番大きな気持ちなんだって言うことを…


もしも、この世の終わりが来たとして、
誰かひとりのために自分の命を懸けなければいけないとしたら…
自分は、きっと貴女のために命を懸けることを選ぶでしょう。

もしも、時間を巻き戻せるのならば
あなたが悲しい思いをする前の時代に戻って
自分の手でその悲しみがおこらないように力を尽くすでしょう。

もしも、あなたと結ばれることが許されるなら
あなたを幸せにすることに最大の努力をしようとすることでしょう。

でも、そんな「もしも」の仮定の話しか自分には出来ない。
あなたには、もう生涯の伴侶となるひとがいるから…


そんな今の自分がこのままで幸せなのかどうかは、
はっきりとは答えが出せません…

だけど…
これだけははっきり言えます。

一番大切なひと、それは『あなた』だということ

すべての愛が、あなたから始まっているってこと


今日は、そんな大切なあなたの命がこの世に生まれた日
そして、ここまで無事にその命が輝き続けてきたことを祝う日です。

本当に、お誕生日おめでとう!

これからいくつの月日を重ねても、
素敵な、ステキな貴女でいてください。


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# by key_bo | 2009-06-24 03:56 | 6月24日生まれの貴女へ


川の流れに翻弄され流されていライオンの体は、滝つぼに飲み込まれていきました。
流れる水のなかで、一瞬ふと体が浮くような感覚と同時に落ちていくのがわかりました。

「これでやっと、生きていくことから解放されるんだ…。
 もうこれ以上苦しいのはいやだ。 
 羊さんを助けられたから、いまならもう死んでもいいや」

かすかな意識の中でライオンは、ふとそう思っていました。
そして、滝壺に落ちた瞬間、激しい衝撃にみまわれて、ライオンは完全に気を失いました。

…………………………………………………………………………

気がつくと、ライオンは真っ暗な闇の中にいました。
かつて感じたことのある真っ暗な場所
だけど自分の姿は見える、
そんな不思議な感覚のところです。

前に同じようなところにきたときには、すぐに歩きだしたはずのライオン
しかし、今はじっとしたまま動こうとしません。

自分がほかの何にも生まれ変われることなく、
何度も何度もライオンのままでいることに嫌気がさしていたのです。

「どうせ、また歩いても生まれ変われないんだ…。
 かにさんにだって会えないに決まっているし、
 かにさんを守ってあげることだってできないんだ……。 
 こんな僕なら生きていたってしょうがないじゃないか。
 もう、このまま、死にたい…… このまま…。」

ライオンがそう心でつぶやくと、目の前に一筋の光が差し込んできました。
すると、そこに白い衣をまとい、白いひげをたくわえた老人が現れました。
そして、ライオンに向かって語りかけました。

「ライオンよ、どうした、歩きださぬのか?」

「だれだ?あんたは?人間の格好をしているが、人間じゃないな。」

「私が何者かなど、今はどうでもよい。大事なのはなぜお主がここから歩きださぬか、ということじゃ」

「僕はもう自分のことなんてどうでもいいんだ、このまま死にたいんだ。。羊さんを助けた満足感をもっている今のまま。それに…」

「それに?」

「このまま、また歩きだしたって、かにさんの悲しかったことや辛かったことは消せやしないんです。
 僕なんか、何の力にもなれないんだ。
 かにさんのそばに居てあげることだってできないんだ。
 そんな自分が、何もできない自分が嫌なんだ。大キライなんだ。」

「忘れたのか? お主は、タヌキからかにを守ったではないか。歩くのに邪魔になっていた大きな石をお主の力でよけたではないか。かにと出会ったあの時、お主ができることはやったではないか。なぜそんなに過去にこだわるのじゃ」

「僕にはかにさんが味わってしまった悲しみや辛かったことをどうする事も出来ない。かにさんの心の中にあるものは自分の力では消せないんだ。」

「ライオンよ、その苦しみはお主だけが持っているものではないのじゃぞ。…お主が憎んでおるかにを悲しませた人間にも同じ気持ちがあるのじゃぞ」

「人間!そうだ、かにさんを悲しませたのはタヌキだけじゃない、人間もだ!許せない!」

「お主がそうやって人間を憎んでどうするのじゃ?」

「かにさんが味わった悲しみの仕返しを僕が人間にしてやるんだ!」

「お主は、まだ気がつかぬのか。お主が人間に仕返しをしても、その人間がかにを悲しませた人間とは限らぬぞ。そして、お主が人間に仕返しをすれば、同じ悲しみを、かにが味わったのと同じ悲しみをお主が生むになるのじゃ」

「えっ?同じ悲しみを?ぼ、僕が?」

「お主はかにが背負ったつらさと同じものを自分が生み出してしまうことに嫌気がさしていたのではないのか」

「そ、それは・・・」

ライオンは、その言葉に何もいえなくなってしまいました。
ライオンが草原で弱いものを捕まえて食べていたときに、その獲物の子供や仲間が悲しそうな目で、自分たちを遠くから見ていた場面が思い浮かびました。

「お主が次に出会うものは、お主が一番憎んでおるものじゃ。しかし、お主のそれががいかにそれを愚かであるかを一番わからせてくれるであろうぞ」

「えっ、それはどういうことですか?」

「さぁ。行くのじゃ、ライオンよ」

その男性は大きく両手を広げると天を仰ぎ見たかと思うと、あたり一面、真っ白な光に包み込まれました。
その光が眩しくてライオンは眼を瞑りました。

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「ぴちゃ、ぴちゃ」

ライオンはその音に目が覚めました。
気がつくと、大きな山が見える大きな湖の岸辺に打ち上げられていました。
体を起こそうとしてもシンリンオオカミにかまれた首の傷が痛んで、動くことができません。
さっき見たのは夢か、それとも幻だったのか…朦朧とした意識の中でライオンは考えていました。

すると、湖のそばにある草原を歩く音が聞こえてきます。
自分に近づいてきたかと思うと

「あ!こんなところにライオンがいるわ!どうしたのかしら?」

女の人の声が聴こえてきます、そして、近づいてきます。

「まぁ、ひどい怪我だわ!直ぐに手当てしなきゃ」

はっきりと眼をあけられない状態のライオンでしたが、
それがうら若き乙女であることは見えました。

「今すぐ、薬草を摘んできてあげるから、ここにじっとしててね」

その乙女は、森の中へ薬草を探しに行きました。

「に、人間だ… かにさんを悲しませた人間だ…」

ライオンは、ありったけの力を振り絞って立ち上がり、
その水辺からあがって、草原の奥にみえる向こうの森へ
いこうとしましたがすぐに倒れこみました。

薬草を手に抱えたその乙女が帰ってきました。

「あ、ライオンさん、動いちゃだめよ。今、薬草を揉んで傷口につけてあげるから」

ライオンを心配している乙女に、ライオンは「相手が人間である」と
いうだけで、力のだせるだけ吼えました。

「ガォ!・・・」

「そんなに怖がらなくてもいいのよ、私はあなたに何も悪いことはしないわ」

乙女が近づこうとすると、大きな前脚の爪をたてて、弱弱しく振りかざします。
もちろん、怪我で弱っている体では乙女の体にはかすりもしません。

「大丈夫よ、大丈夫。何も怖いことしないから」

「ガ!・・・」

そう吠え掛かろうとしましたが、首の痛みがひどくて体に力が入りません。

「大丈夫、安心していいよ。ほら薬草つけてあげるから、じっとしてて」

乙女の優しそうな声と細くてしなやかな手がライオンに伸びてくるのがわかりました。
だんだんと意識が朦朧としてきて、首筋の怪我に何かが塗られているのが
わかりましたが、動くことすらできません。

「もう、大丈夫だよ。しばらくここでおやすみなさい」

乙女の優しい手が体の毛をなでているのがわかります。
その優しさは、昔お母さんライオンに体を優しくなでて
もらったときのようなそんな感覚のするものでした。

---------------------------------------------

ライオンが深い眠りからさめて、気がつくと干草の上に寝かされていました。

「あっ、ライオンのお目々が開いたよ~」

小さな子供の声です。
しばらくすると、人間達がたくさん現れて、動けないでいるライオンを
取り囲んで様子を見ています。

「やっぱり、ジェーンの言ったとおり死んじゃなかったなぁ。おい」

「なに言ってんだよ、ボブおじさん。ジェーンは医者じゃないけど動物の怪我の診たてはいいんだ」

「そういってもよ、トム。こいつをこのまま牧場で飼うつもりか?乳もださねぇし、肉にもならねぇのによ」

「今は、そんなことを考える時期じゃないよ、怪我を治してやることが先決だ」


「兄さん、ライオンが目を覚ましたって本当!」

ライオンを助けた乙女、ジェーンが干草小屋に入ってきました。
ジェーンはライオンに駆け寄ると、ライオンのうっすら開いた目をじっと見つめています。
すると、その瞳から大粒の涙を落としました。

その涙がライオンのほほに落ちてきました。

「うん、ほんとによかった。もうだめかとおもちゃったわ…」

ライオンは、不思議でした。
悲しくもないのに何で泣くんだろう?

と。


<その6へ続く>
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# by key_bo | 2008-11-03 03:22 | はぐれたライオンの物語 第1巻

穏やかな日差しの中、ライオンとお母さん羊が、深い谷を挟んでお話しています。
子羊ちゃんはぽかぽか陽気と、お母さんが和やかな表情で楽しそうに話しているのが嬉しくて、草原をピョンピョンと跳ねまわっています。

しかし、その和やかな雰囲気を森の草むらの陰から、見ている怪しい姿がありました。

「ぐへへ、今日はあの子ヒツジをいただくとするか」

一匹で森に住み着き、弱い動物を捕まえて食べてしまう怖いシンリンオオカミです。
森の動物たちに嫌われている「ならず者」です。
草原を跳ね回っている子羊ちゃんを狙い、草むらの陰に潜み様子をうかがっています。
子ヒツジちゃんが、何も知らずに跳ねまわって森に近づいていきます。

シンリンオオカミは、草むらの陰で身構えました。

しかし、その一瞬、尾っぽを立ててしまい、草むらからはみ出しました。
その草むらから一瞬見えたオオカミのしっぽに、ライオンは気づきました。ライオンはじっと尻尾の見えた森の草むらの方を、そこに何がいるのか確かめようとじっと見つめています。
ライオンは、自分の狩りの経験から、その草むらにきっと子ヒツジを狙っている何かがいると直感が働きました。

「子ヒツジちゃん!危ない!お母さんのところへ戻っておいで!」

大きな声で叫びました。
子ヒツジはその声に気づき、お母さんとライオンのいるほうを見ました。
子ヒツジちゃんがお母さんヒツジのところへ戻ろうと、体の向きを変えた瞬間、草むらの陰からシンリンオオカミが飛び出してきました!

「ぐへへ、おとなしくしな!」

「きゃー、お母さん~、怖いよー」

子ヒツジは必死に走って逃げます。
幸い、ライオンが声をかけたおかげで、シンリンオオカミが隠れていた草むらと距離があるところから走って逃げたので、すぐには捕まりませんでした。
しかし、走っているうちにどんどん追いつかれてきて、今にも捕まりそうです。

子ヒツジに今にも追いつかんとしたその瞬間、お母さんヒツジが体当たりしました。

「ドン!ドスン!」

シンリンオオカミはバランスを崩し倒れましたが、さすがは運動神経のいいオオカミだけのことはあります。すぐに体勢を立て直して、お母さんヒツジにすごみます。

「イテテテ。くそ!てめぇ、なにしやがんでい。」

「この子に何するつもり!手は出させないわ!」

「けっ、たかが羊ごときがこのオオカミ様に逆らおうなんざ百年早いぜ。 おめえらはおれたちの餌になるために生まれてきたんだよ。観念しな!」

「この子は絶対にあんたなんかに渡さない!絶対に!」

「ぐへへ、そこの子ヒツジを素直に俺に渡せば、”今日のところは”お前を食うのをやめておいてやるよ。また、次にしてやるぜ。グヘヘ、さぁおとなしくこっちへよこしな!」

「だめ、絶対にあんたなんかに渡さない!」

シンリンオオカミとお母さんヒツジとの対峙が続きます。
深い谷を挟んだ向かい側にいるライオンは、どうしようもなくて思わず叫びました。

「やめろー!オオカミ!羊さんたちに手を出すな!」

(けっ、あんなところにライオンがいやがる。しかし、何でこんなところにいるんだ?)

「助けもできねぇてめえはすっ込んでろ!そこでおとなしく俺が羊を食うのを見てるんだな」

「やめろー、やめるんだー!」

「うるせぇ!てめぇは黙ってろ!へへ、どうせ、おめぇもこいつ等を食おうと狙ってるくせによ!
 助けてぇんなら、こっちへ来ておれのことを倒すんだな。まぁ、できるんならの話だけどよ」

シンリンオオカミは、嘲笑うかのようライオンにいいました。
ライオンは腹立たしさと自分に対するもどかしさでいてもたってもいられなくなりました。

そして、ライオンは決心しました!

目の前にある谷を飛び越えよう!
かにさんと同じ悲しみを絶対に繰り返させない!と、そして、羊の親子を助けようと!

谷の深さはかなり深く、落ちてしまえば自分の命はどうなってしまうかわかりません。
向こう側との距離も樹齢100年以上のヒノキを倒さないと渡れないくらいの距離があります。
ライオンは今までそんな遠い距離をジャンプしたことはありませんでしたが、今は自分のことなど考えている暇などありませんでした。

「きっと、ギリギリ跳べる!きっと、跳べる!」

そう自分に言い聞かせていました。きっと自分は飛び越えられる!と。
かつて、仲間のライオンがそれ以上の距離を飛んだのを見たことがあるからです。
ライオンは崖から少し離れた草原までもどり、そこから思いっきり走り出しました。崖の切れ目が近づきます。

そして、飛びました!

「やめろー!!!」

その瞬間、ライオンに耳に聞こえてきたのは、自分の声と体が空を切る風切り音だけです。

「ヒュゥゥゥ」

深い谷の底にある川にライオンの影が一瞬映ったかと思うと、すぐ消えました。
ライオンの体は、向こうの崖のぎりぎりに着地できました。

が!その着地した衝撃で後ろ脚の部分が崩れて、後ろ脚が崖に落ちました。ライオンは必死に前脚で地面をひっかいて這い上がろうとしています。

「や、やめろぉ…、やめるんだぁぁ」

それを見たシンリンオオカミはライオンは這いあがれないだろうと高をくくり、今にも羊の親子に襲いかかろうとしています。

「ぐへへ、お前ぇが子ヒツジ渡さねぇなら、まずお前から食ってやるよ。そのあとでゆっくり子ヒツジちゃんをいただくとするか」

「そんなことさせない!」

お母さんヒツジは子ヒツジを守ろうと必死に対抗します。子ヒツジは、その怖さの余り、足がすくんでお母さんの陰から動くことすらできません。
でも、これ以上、シンリンオオカミが本気を出したら、もちろん勝てるはずなどありません。

ついにシンリンオオカミが飛びかかって、お母さんヒツジに噛みつこうとします!

しかし、幸いにも刈り込み前の羊の毛が邪魔をして、そのオオカミの牙がうまく入り込めません。しかも、お母さんヒツジはそれを振り払おうと、体を大きくよじらせて暴れるのでうまく噛めません。

そこへ、崖から這い上がったライオンが大きな前脚でシンリンオオカミをはたくように殴ります。

「バシッ、バシッ!バシッ!」

そうです、ライオンは自力で這い上がり、羊の親子を助けに来たのです。

「ぐぇっ、ぐはっ!」

ライオン大きな前脚のパンチとともに、その爪がシンリンオオカミの体に食い込みます。シンリンオオカミは噛んでいた羊を思わず放してしまいました。

「てめぇ、何しやがる!」

「だから、やめろといっただろう!」

「ははぁ~ん、お前ぇ、そんなにこいつらのことを独り占めして食いたいのか。」

「違う!そんなんじゃない!」

「うそつけ!ライオンはおれたちと同じで動物の肉を食うんだよ、そしてお前はそのライオンなんだよ!いくら、いい格好してもお前は”動物を食う”ライオンなんだよ!」

嘲るようにシンリンオオカミは言いました。
確かに、昔、仲間と草原にいたころは弱い動物を狩りをして暮らしていました。それは本当のことです。しかし、ライオンはかにさんと出逢っていっぱいお話をして、今自分の守りたいものがある、その自分の守りたいものに悲しい思いをさせたくない、そのことに目覚めたのです。
いまは、その守りたいものが、「羊の親子」だということ、ただ、それだけです。

「うるさい!僕はお前と違うんだ!羊さんが悲しむようなことは絶対にお前にさせない!」

ライオンは、シンリンオオカミに飛びかかりますが、身軽でフットワークの早いオオカミにはかわされてしまいます。
ライオンは何度も何度もシンリンオオカミに飛びかかりますが、事無げにかわされてしましまい、だんだんとライオンは息が切れてきました

「はぁはぁ・・・」

「へへ、おめぇに俺様が捕まえられるかな、その重い体でよ」

シンリンオオカミの隙を狙おうとライオンは一定の間合いを取って、対峙してにらみ合っています。ライオンは、シンリンオオカミの様子を伺いながら、少し離れた所からみているお母さんヒツジに目くばせをして言いました

「ヒツジさん、子ヒツジちゃんをつれて早く逃げるんだ!」

「だめなの、この子、今、脚がすくんで動けないの!」


(じゃ、僕がこのオオカミをやっつければいいんだな、こうなったらどうにかやるしかない!)


しかし、この一瞬の隙を狙って、シンリンオオカミがライオンののど元にかみついてきました。その痛みが体中に走ります。シンリンオオカミは、足元を踏ん張って噛みついたまま言いました。

「へへ、これであんたもお終いだな。俺だって動物の弱点を知ってんだぜ」

噛まれた喉もと、オオカミの歯の隙間からからジンワリと血が流れてきます。ライオンも足元を踏ん張っています。しかし、ライオンはシンリンオオカミにのど元を噛まれたまま、後ろに後ずさりして崖のほうへ引きずっていきます。

「何しようと無駄だぜ、喉元を押さえている俺様の方に分があるぜ、諦めな!」

シンリンオオカミの踏ん張る力もものすごくて後ずさりするたびに牙がライオンの喉に食い込みます。しかし、狩りでとらえた鹿をくわえて引きずることを思えばオオカミの体など軽いものです。その痛みを我慢しながら、崖のふちの近くまでシンリンオオカミをひきづってきました。

「オオカミ!これでお前もお終いだ!」

すると、ライオンは大きな前脚で叩き込むようにシンリンオオカミの体を抑え込みました。

「グハッ、て、てめぇ何するつもりだ!」

すると、ライオンはと、噛まれた喉もとから一気にシンリンオオカミの牙をひきはがしました。

「ブシュゥゥ」

ライオンの喉もとから、血が噴き出します。押さえつけたシンリンオオカミの顔にその自らの鮮血を浴びせ掛けました。

「ぎゃー、目がぁ!目が見えねぇ!」

そうです、ライオンは噛まれた喉もとから吹き出た自分の血をシンリンオオカミの眼つぶしに使ったのです。これで、しばらくは羊を襲うことはできません。
シンリンオオカミは顔についた血をぬぐおうと、その場にしゃがみこんで前脚で拭っています。そこへ、ライオンはそのシンリンオオカミに向かって猛ダッシュし、体当たりしました。

「ドン!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ……」

シンリンオオカミは、深い谷へ落ちて行きました。
喉もとから血が出ているライオンは、シンリンオオカミが這い上がってこれないのを確かめて、すっくと立ってお母さんヒツジに言いました。

「羊さん、もう、大丈夫だよ……オオカミは…いなくなったよ」

「ライオンさん、有難う。あなたのおかげで助かったわ。」

「でも、大丈夫?大丈夫なの?!あっ!のどから血が、血が一杯出てるわ!」

「ライオンのおじちゃん、大丈夫なの…」

羊の親子は、実は立っているのがやっとのライオンの姿をみて、心配そうにそういいました。
ライオンは力を振り絞って、羊に話しかけました。

「ぼ、僕は…平気さ… 羊さん…たちは…だ、大丈夫…かい…」

「私はかすり傷、この子は大丈夫よ」

「よかった…。ひ、羊さんたちが…ぶ、無事…なら…そ、それでいい…んだ」

安心したライオンは、力が抜けてガクッと前脚が倒れこみました。

「だ、大丈夫!ライオンさん!」

お母さん羊が近づこうとするとライオンはこういいました。

「ぼ、僕に近寄っちゃ…ダ…メだよ。ぼ、僕は動物の…肉を…食べる…ライオンだ…もの」

「そんなことないよ!私たちをオオカミから守ってくれたじゃない!」

ライオンは、シンリンオオカミが言った言葉が心に突き刺さっていました。
お母さん羊は、心配そうに見ていますがどうすることも出来ません。
ライオンは、力を振り絞って立ち上がりました。

「ぼ、僕はもう…行か…なきゃ」

「どこに行くの!そんな大怪我して血がたくさん出ているに!」

「い…行か…なきゃ…」

意識も朦朧としてきて、歩く足元もおぼつかなくなってきました。
そして、自分が着地したあたりの崩れやすい崖のほうへ歩いていきます。

「ライオンさん!危ないよ!そこはさっき崩れたところだよ!」

お母さん羊のその言葉に、ライオンは振り返っていいました。

「羊さん、短かったけど…楽しい時間を…あ…有難う。羊さんたちに…出会え…て…よかった」

ライオンは笑みを浮かべてそういいいました。
そして、その瞬間、安心したのか、その場に大きな体が倒れこみました。

「ばたん!」

「ライオンさん!」

羊の親子が駆け寄ろうとすると、ライオンのいるところ崖がみるみる割れていき、しまいにライオンごとその崖の部分が谷へ真っ逆さまに落ちていきました。

「ガラ、ガラガラガラッ!」

「ライオンさぁ~~~~~~ん!」
「ライオンのおじちゃ~~~ん!」

「助けてくれてありがとう~~~~~!」

もう力のでなくなったライオンの耳にもその声は聴こえていました。
かにさんのような悲しみをお母さん羊や子羊ちゃんに味合わせることなく、羊さんを助けることが出来たのが、嬉しくて涙を流しました。
その涙の粒が、空中へきらめいて飛んでいきます。

猫のように体をひねって、着地する準備もしないまま谷へ真っ逆さまに落ちていく彼には、自分の体が風を切る音だけが聴こえます。
そして谷底にある、大きな川に飲み込まれました。

「バシャーン!」

谷の上から見ていた羊の親子にも小さくそれは見えていましたが、谷の上からではどうすることも出来ません。

「ライオンさ~~ん、ライオンさ~~~ん!」

羊の親子が呼ぶ声が谷間に響き渡ります。
ライオンの体が水面に浮かび上がりましたが、川の流れにどんどん流されていきます。そして、とうとう羊のいるところからは、ライオンの姿はみえなくなりました。

…………………………………………………………………………

ライオンの体は、川の流れに翻弄され流されていきます。
ライオンは半分意識を失っていましたが、体があちこちの岩にぶつかるのがわかりました。でも、体を動かすことも出来ずひたすら流れに任せるままでした。
どのくらい流されたでしょうか。川の流れが途切れて、大きな水しぶきが立っています。

そう、滝です

川が丸ごと途切れているのですから、流れに飲み込まれたままでは落差の大きい滝に落ちてしまいます。
そして、あっという間にライオンの体は、滝つぼの流れへ消えていきました。



<その5へ続く>
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# by key_bo | 2008-02-18 14:12 | はぐれたライオンの物語 第1巻

森に迷い込んだ鹿を狙うトラとライオン。
ライオンは、自分たちの狩のセオリーどおりに風下に回ります。
トラも、風下の草の茂みに隠れ様子を伺います。
鹿も角の立派なオス鹿です。周りを警戒し、なかなか隙を見せません。

トラが先に仕掛けました!

鹿がいち早く気づき、ほんの少しの時間差でその牙から逃げられました。しかし、ライオンが連係プレーで鹿ののど元にくいつきます。
でも、ライオンの牙は浅くしか入り込んでいないために、必死に鹿が逃れようと暴れます。
トラもライオンに助太刀して鹿の腰の辺りをかみつきます。

鹿はもう逃れようと必死です。

でも、あまりに鹿が暴れるので、噛み付いたライオンの牙が不意に外れてしまいました。
逆に暴れて鹿が振り回す角が、ライオンののどに刺さってしまいました。


「グサッ」

「ぐぅぅ…」「ドサッ」


ライオンののどに角が刺さった鹿は、身動きがとれなくなり、ライオンと一緒に倒れこみました。
トラはそのチャンスを逃すまいと、鹿ののど元に噛み付き、止めをさします。
鹿も逃れようと暴れていましたが、ついに力尽きました。

獲物の様子を確かめたトラは、鹿の角をひっぱって、ライオンののどから外しました。
そして、ライオンに話しかけました。


「おい、あんた、大丈夫か?」

「も、もう… 僕はだ…駄目みたい…。きっと…こういう…運命なの…さ」


ライオンののどからは、たくさんの血が流れ、もうしゃべることすらできないほど意識が薄れてきました。体の力も入らなくなって、しまいには目も開けられなくなってきました。


「しっかりしろ、せっかく獲物を仕留めたんだぞ!死んじまったら食えないじゃないか、おい!」


トラの呼びかけも聞こえてはいても体が反応できません。
最後に、苦笑いにも似た笑みを口元に浮かべてライオンは息絶えました。

……


気がつくと、ライオンは真っ暗な闇の中を歩いていました。
真っ暗だけど自分の姿はちゃんと見える、そんな不思議な感覚のところです。
前にも同じ様なことろにいたことがある、そう感じながら歩き続けました。
どのくらい歩いたでしょうか・・・
足元は、坂のような下りの道になって行きました。

すると、その先に一筋の光が見えてきました。
一瞬、その一筋の光が光ったかと思うと、そのまぶしさにライオンは目を瞑りました。

……………

目が覚めると、ライオンは晴れ渡る山の中の草原に横たわっていました。
遠くに大きな大きな山が見える、一面に緑色の若草のじゅうたんの草原です。
その草原に一本の樹がありました。大きく枝を伸ばし、大きな木陰を作ってくれている、そんな樹です。
初夏の陽気を思わせるかのような陽射しが降り注ぎます。眩しいほどのお天道様の光を避けようと、ライオンはその樹の木陰に向かいました。

木陰には、枝の隙間から心地よい日差しが降り注いで、心地よい風が通り抜けていきます。
そして、隙間から降り注ぐ日差しが彼の鼻をくすぐるように照らします。


「そういえば、かにさんと出会ったときもそうだったなぁ」


ぼんやりと彼はそんなことを考えていました。


「そこにいるのはだれ?」


突然、声が聞こえてきました。ふと見ると、樹の近くにある切れた崖から10mくらい離れている深い谷を挟んだ向かいがわの崖の草原に親子連れの羊がいました。
そして、その若いお母さん羊が呼びかけてきたのです。

「あなた、だれ?この辺では見かけないわよね。いったい、どこから来たの?」

「僕はライオンっていうんだ、どこから来たのか、自分でもわからないけど、 前にいたところはこんな山の中じゃなかったんだ」

「へぇ、そうなんだ。私はヒツジって言うの、この子は私の子供よ、さぁ、ライオンさんにご挨拶して」

「こんにちは、ライオンさん」

まだ、舌足らずのような幼い話し方の子羊ちゃんの挨拶に、ライオンはゆったりと笑顔で返事をしました。

「こんにちは、子羊ちゃん」

そのライオンの返事に子羊は喜んで、お母さん羊の周りを飛び跳ねています。
それから、ライオンは崖を挟んで彼女とお話をしました。

自分は広い広野で、生きた動物を狩をして食べて生きていたライオンであること

ライオンの群れは、ハーレムで、争いに負けた大人のオスは群れから追い出されること

今、自分がはぐれた身の上であること、なんかも…


そして、羊もライオンに話しました。

親子で暮らしていること、

子供がまだ小さいこと、

昔ライオンが住んでいたのと似たような草原にいたこと、

そして、今はおじいさん羊とおばあさん羊や弟妹との一家で、
子羊の面倒を見ながらくらしていること

ライオンは、かにさんと少し似ているなぁ、とほんわかした気持ちになりました。

「でも、ライオンさんてすごいね、生きてるものを捕まえて食べちゃうんでしょ? 私たちには絶対できないなぁ。」

「全然、すごくなんかないさ、だって生きてるものを捕まえなきゃ僕たちが生きていけないんだもの」

ライオンは、草を食べてもちゃんと生きていけるヒツジがうらやましく感じたのです。
逆に、ヒツジは弱肉強食の世界で生き延びているライオンのことを「すごいなぁ」と思ったのです。


「私たちみたいな弱い生き物をたべちゃうんしょう?こわいなぁ」


冗談交じりに笑顔でそういいました。
でも、ヒツジもきっと、大きな向かい合わせの崖にいて、お互いに簡単には向こうにいくことができないから、安心して話すことができたのかもしれません。

「羊さんにはそんなことしないよ、子羊ちゃんが可哀想だもの」

そう、ライオンはその羊の親子を餌として全然みていませんでした。
なぜなら、ライオンがかつて出会ったかにさんとどこか似ているものを感じたからです。

……

夕方になり、ヒツジは子羊をつれて自分の寝床へ帰る時間になました。

「ライオンさん、おやすみなさい。また明日もお話ししましょうね」

「羊さんも、子羊ちゃんも、おやすみなさい」

ライオンは、羊の親子を見えなくなるまで見送りました。
夜の帳も下りてきて、月の光だけがうっすらと草原を照らしています。

ライオンは夜風を避けるために、大きな樹の根っこが二股に分かれて
出来た大きな隙間に、体をうずめる様にして丸くなって眠ることにしました。

いくら、夏が近くなってきたとはいえ、山の夜は冷えます。
丸くなっても、一人ぼっちでは寒さが身にしみます。

こんなときヒツジさんが横にいたら、ふわふわの毛があったかいだろうな、
とぼんやり考えていました。

そういえば、ライオンがお母さんライオンから離れてどのくらいたつでしょう…

ライオンは、お母さんライオンのぬくもりを思い出していました。
決して、今日出会った若いお母さんヒツジに、それを求めているわけではありませんでしたが、子羊ちゃんにとっては、自分がかつて感じたあのお母さんのぬくもりと同じものをお母さん羊が持っているのだろうなぁ、そう思っていたのです。

そして、自分もまたそのぬくもりをまた感じてみたいなぁと懐かしく思い出していたのです。

そんなことを考えているうちにライオンは眠りにつきました。

………

「ザァ、ザザァ~」

「ピヨ、ピピピ…」

そんな朝の爽やかな山風にゆれる枝葉の音と、小鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
日が昇って木陰にいるライオンの鼻先まで陽が差し込んできます。
目は覚めましたが、じーっとしたままかにさんのことを思い出していました。

「そういえば、かにさんと出会った日もこんな感じだったなぁ」

かにさんと出会った日のことを考えていました。
そして、あの嵐の日にかにさん親子と木陰の草むらで雨宿りした夜
かにさんとお話しした時の事を思い出していました。

…………………………………………………………………………

ライオンの前脚の上に登ったかにさんは話し始めました。

「子供たちももう寝たわ、ライオンさん、少しお話しましょ」

「うん、いいよ」

「ライオンさんは、素敵な人や子供はいるの?」

「まだ、いないよ。かにさんみたいな可愛い人がいるならいいんだけど」

ライオンは、少し照れたような顔で苦笑いを浮かべながらいいました。
でも、次の瞬間かにさんの表情は少し曇らせてこういいました

「ライオンさん、私のこと買い被り過ぎだよ。だって、ライオンさんとは全然違うし、それに…」

「それに…?」

「…それに…今まで一杯悲しいこともつらいこともあったから、もうそういう目にはあいたくないの」

ライオンは、それがどんなことなのか聞きたいと思いましたが、なかなか言い出せませんでした。しばらく沈黙した後、思い切って勇気を出して聞いてみました。

「かにさん、もしよかったら僕に話してよ。僕が聞いたからってそれは消えないだろうけど、話すだけでも気持ちが楽になるかもしれないよ」

「え…でも、こんなの聞いてもしょうがないよ」

「いいんだ、僕はかにさんのことなんでも知りたいんだ」

「そう…じゃ、聞いてくれる…?」

そういったかにさんが一瞬見せた寂しくて悲しそうな表情にライオンは「ドキッ」としました。そんな表情をするほど、悲しいことだと思っていなったからです。

「実はね…あの子がにたちのお父さんは、悪い人間の罠にかかって連れて行かれちゃったの」

「えっ!人間に!」

「ううん、人間も悪い人たちばかりじゃなくて、いい人もいるよ…。でも、その悪いやつらは捕まえない振りをしておきながら罠を仕掛けて、あの子達のお父さんを捕まえて連れて行ってしまったの」

「かにさんを!悲しませるなんて許せない!」

「それだけじゃないわ、私たちもその悪い連中に捕まりそうになって必死で逃げたわ」

「どうやって逃げたの?」

「人間でも動かせないような大きな岩の隙間の奥のほうに隠れて、やっと助かったの」

「かにさんを怖い目にあわせるなんて、人間は許せない!今度、人間にあったら僕が懲らしめてやる!」

「ライオンさん、誤解しないで。人間皆が悪い人たちばかりじゃないわ。」

「なんでそんな事いうんだい?僕はかにさんを悲しませたり怖がらせたやつらを許せないよ」

「多くの人間はね、私たちのことを見るだけで満足したり、ときには餌になるものをもってきてくれるの。本当に悪い人間は一部分だけなのよ」

ライオンは、そのかにさんの言葉に、心の眼を開かされたような気がしました。
かにさんが、体験したその悲しみやつらさを、消すことも癒してあげることも、どうにもできない自分がもどかして仕方がありませんでした。そして、自分の心の未熟さを痛感したのでした。

「あと、あの子達が生まれる前に、男の子がにがいたの」

「え?今、男の子の子かにちゃんはいないよ、どうしたの?」

「森の中をうろついているタヌキっていう怖い動物がいて、そいつに食べられちゃたの。私悲しくって悲しくって、しばらくず~っと泣いていたわ。どれくらい泣いていたか覚えていないくらい……」

ライオンはすごくショックを受けました。
自分が今までしてきた「狩り」というものが、食われたものにとっては悲しみや痛みを産むものであるとは、それまで全く思っていなかったからです。
そんな自分がそのことにも気づかず「かにさんが可愛いから好き」だなんて言える立場じゃない、そう思ったのです。そして、心の中で涙がこぼれました。

「…… 」

「ライオンさん、どうしたの?」

「ううん、なんでもないんだ…ただ…」

「ただ…?」

「小さいかにさんが、そんな大きな悲しみや苦しみを背負って今まで生きてきたなんて思いもしなかったから・・・」

「うん…」

「かにさんのことを好きだなんて、単純にいっている自分が情けなくて、恥ずかしくて、もどかしくって…」

「そんなことないよ、私もライオンさんに話して、少しすっきりした……、だって今までこんなこと誰にも話せなかったもの」

ライオンは、その言葉に涙がこぼれました。そして、かにさんにいいました。

「かにさん、こんな僕でもかにさんの何か力になれるかな…」

「そんな、もう充分にしてくれたよ。大きな石だって避けてくれたし、大粒の雨から私たちをまもってくれたじゃない」

「そうかな…かにさんの役に立ててるかな……」

かにさんは笑顔で答えてくれました。
ライオンはその笑顔とかにさんの明るくて前向きにいってくれることが励みになりました。そして、思いました。自分の出来る限り、傍にいてかにさん達を守ろうと…

…………………………………………………………………………

夢うつつで目を閉じていたライオンは、嵐の日の夜のことをつい昨日のことのように思い出していました。

ふと、目が覚めました。向こうのがけからその元気でかわいい声が聴こえてきたからです。

「ライオンさぁ~ん、いつまで寝ているの~、朝になったよ~」

ふと、顔をあげてお母さん羊のほうをみました。

「ライオンさん、おはよう!」

「おはよう、羊さん」

「今日は晴れていい天気になりそうだよ、青空が広がっているもの。 私こんな青空が大好きんだぁ」

「僕もこういうお天気は大好きだな」

「なんだか好きな物が似ているね、食べる物はぜんぜん違うのに」

「そうだね、あははは」

屈託のない笑顔で明るいお母さん羊が話してくるので、ライオンもつい気が緩んで笑顔でこたえました。
子羊ちゃんは、和気あいあいとした雰囲気と気持ちのいい陽射しに、喜んでピョンピョン飛び跳ねています。

きょうも一日いい日になりそうなそんな予感がするひと時でした。


そんな和やかな雰囲気をじっと見ている怪しげな影がありました。
そして、羊が油断するのをじっと身を潜めて伺っていました。
その怪しい影の正体とは……

<その4へ続く>
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# by key_bo | 2008-01-28 15:48 | はぐれたライオンの物語 第1巻
6月24日…

今年もこの日がやってきました

大切な貴方がこの世に生まれた日


お誕生日おめでとう!

今日まで無事に過ごせたことを神様に感謝しなくてはね


この前、あなたを見かけたとき びっくりしました。

だって、ぜんぜん変わってないのだもの

確かに 髪を染めててたし

顔には 月日がたった証しが刻まれていたけれど…

あなたの魅力は 変わっていなかった。


明るくて 屈託がない笑顔

昔と同じように話しかけてきてくれて…



ここで白状するなら、あのころと同じように

胸がときめきました… ドキドキしました…。

そして、自分で気づきました

まだ、あなたのことを心のなかで想っていることを……


でも、それと同時に知りました。

あなたの苗字が変わっていたこと

いずれそうなることはあるだろうな、とは思っていたし

自分の苗字になってもらえないことだってわかってた

わかっていたんだけれど…

いざ、その現実を目の前にすると、さすがに沈みました。

あなたを自分の知らない誰かに

とられてしまった悔しいような気持と…

なんだか自分だけが

昔のまま変わらず取り残されているような…


でも、それは哀しいことじゃない。

だって、彼女は幸せそうだったもの

それって、彼女が幸せをつかんだっていうことだもの

僕の願いは「彼女が幸せになること」だったはずだもの…


もしかしたら、今、自分が変わるべき時なのかもしれない…


今日は、あなたの誕生日

来年の今日もあなたが幸せでいられますように

そう、心に願っています。

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# by key_bo | 2007-06-24 15:23 | 6月24日生まれの貴女へ
6月24日生まれの貴女へ

”お誕生日おめでとう!”

あなたが命を授かって、この世に生を受けてから

はや、たくさんの年月がすぎてしまいましたね。

「こんな歳をとってしまったから、もう祝ってもらうほどでもないよ」

って貴女は言うけれど・・・。

貴女がここまで無事にその人生を歩んで来れたことが大切なんです。


いままで色々な辛いことや悲しいことががあって、たくさん涙流してきましたね。

私にはその過去を変えられる力などないけれど

貴女がそこにいるだけで、私は多くのことを人として学びました。

貴女の心遣いと言葉に、たくさん助けてもらいました。

そして、貴女を思う気持ちが”人を愛する”と言う心を生みました。

貴女は「その気持ちには今は応えられない」といったけれど

その私の”こころ”を大切にしてくれました。

そして、貴女は私を”ひとりの人”としてちゃんと受け止めてくれましたね。

そうしてくれた貴女がいたからこそ、今の私があるのです。

本当にありがとう、ありがとう。


もし、あのとき貴女が私を受け止めてくれなかったら…

私の心を大切にしてくれていなかったら・・・

私はそれまでと同じように人を愛することなどできないままだったでしょう。


今はもう遠く離れて逢うことはできないけれど、

私は貴女に感謝しています。


そう、年に一度しかないこの日は貴女の誕生日。

貴女が生まれてきたことを祝う日であり、

無事に生きてこれたことを神様に感謝する日です。

そして、私には貴女へ想いを馳せる日であり、貴女に感謝する日なのです。

だから、今日は貴女にこの二つの言葉を送ります。

「お誕生日おめでとう!」  そして  「ありがとう!」
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# by key_bo | 2006-06-29 14:56 | 6月24日生まれの貴女へ
ひとすじの光に向って、夢中で走ったライオンは、
その光の中へ飛び込んでいきました。

ふと、目が覚めると、砂の岸辺に横たわっていて
目の前には大きな湖が広がっていました。

「ずいぶんと大きな湖だなぁ」

でも、湖にしては向こう岸も見えないほど大きくて、水面が常に波打って
岸辺に打ち寄せてきます。岸辺もなんだか妙にさらさらで歩きにくい。
のどが渇いたライオンは、その水を飲もうと水に入ってピチャピチャとなめてみました。

塩辛い!

「なんだ、湖の水は!」

そう、目の前に見えていたのは“海”だったのです。
ライオンはなぜか大海原にある離れ島の海岸にいたのです。

でも、彼は森の中でかにさんと過ごしていたはず、食べ物もなくて死んだと思っていたのに、なぜかここにいます。

「かにさんと出逢ったのは夢だったのか・・・」

ライオンは自分が「誰かの役に立てた」と思ったのは、夢だったのかとがっくりしました。
彼はしばらくの間、なにも行動を起こす気になれませんでした。
横たわって、砂をボーっと見つめてただじっとしていました。

すると、目の前でコメツキガニが砂団子を巣穴の周りに並べています。
しかし、ライオンの顔をみると、脅えて一目散に巣穴に隠れてしまいました。

通りかかった片方のはさみだけが大きいシオマネキが、大きなライオンをみてびっくりしています。そして、威嚇して大きなはさみを構えています。

「や、やい!お前はだれだ!この辺じゃ見かけない奴だな!」

「僕はライオン、そんなにおこらないでよ。ところで君はカニさんの仲間なのかい?」

「僕はシオマネキだ!お前はなんでこんなところにいるんだ!」

「なぜ、ここにいるのか自分でもわからないんだよ。ここはいったい何処なんだい?この目の前にある大きな水溜りはなんなんだい?」

「お前、そんなことも知らないのか?あれは海って言うんだ!」

「海?聞いたことないなぁ」

「とにかく、早くここから出て行け!」

シオマネキはそういうと一目散に走って去っていきました。
椰子の木の上でその様子を見ていたヤシガニのおじいさんが話しかけてきました。

「あんた、この辺のもんじゃないねぇ。たぶん…ライオンだろう?」

「え?僕のことを知っているの、あなたは?」

「あぁ、わしか? わしはヤシガニじゃ。あんたのような動物のことは、噂好きのサルから聞いたことがあるよ。ものすごく体がでかくて、体中毛に覆われていて、動物の肉を食べて生きているってのう」

「ここは何処なんですか?知っていたら教えてください」

「ここは陸から遠く離れた島じゃ。わしも昔、木にのってこの島にやってきたんじゃ。あんたが乗ってきた木はよっぽどでかいんじゃのう。」

「気がついたらここにいたんです。水のあるところを知りませんか?」

「あんた、海の水は飲めんのか。それなら川の水が良いじゃろう。今の時間じゃと、ここを太陽のほうに向かってひたすら歩いていくと、この島の山から流れてきた川があるはずじゃ。そこを目指しなさい。」

「ありがとう、ヤシガニのおじいさん!」

ライオンは浜辺にそってひたすら歩いた。歩いているとかにさんと出会った森を歩いたことを思い出していました。小川を渡る風が涼しくていくら歩いても疲れなかったのに、この浜辺は歩きにくくて、暑くて、すぐに飲める水もない。
苦しいのを我慢して、歩き続けました。

すると、川の河口が見えてきました。
彼はすぐさま走って川の近くへ行きました。

島の山のほうから続いている大きな河がひろがっていました。
ライオンは上流を目指して歩き始めました。

すると、川で何か飛び跳ねるものがいます。

ピョーン、バシャッ!

そう、河を泳ぐ魚のサケです。故郷の川に帰るために遡上している途中なのです。
サケが水面から顔を出して聞いてきました。

「ねぇ!あなたそんなところで何してるの?」

「塩辛くない水を探して、上のほうに歩いていくんだ」

「ふ~ん、それにしても、あなた変な格好ね、毛むくじゃらだし、尾っぽは変な形だし!」

「そりゃぁ、ぼくはライオンだもの、君たちと同じ格好じゃないよ」

「そんな土の上なんか全然前に進めないでしょ、水の中の方が早いわよ」

「ぼくは水の中はダメなんだ、君たちのほうこそ陸に上がってきなよ」

「私たちのほうこそ、土の上はダメだもん」

ライオンは全く意見のかみ合わないサケに、自分とは根本的に何かが違うなぁと感じていました。それでも、水の中をすいすいと滑らかに泳ぐ姿や水面をジャンプする姿は自分の持っていない能力がちょっぴりうらやましく感じていました。

「君たち、なんでそんなに水の中でスイスイ泳げるの? 泳ぎ方教えておくれよ。」

「そんなの知らないわよ!私たちはこれが普通だもん」

「いいじゃないか!こっちにきて教えておくれよ!」

ザブザブっと足が浸かる位まで川に入り、ライオンはその大きな手でサケを引き寄せようとします。でも、サケは手に触れてもすぐ逃げてしまいます。
ライオンは必死になって、サケを追いかけます。でも、すぐ逃げられてしまいます。
だんだん、イライラしてきたライオンは遂に飛び上がったサケをはたくように陸に揚げてしまいました。地面の上で体をばたつかせるサケ
ライオンは、サケに近づいてみると何か叫んでいます。

「は、早く水の中へ、も、戻してぇ!このままじゃ死んじゃう!」

「ど、どうしたんだい?」

「だ、だから水の中へ、も、戻してぇ!お願いだからぁ!」

「せっかくここならゆっくりお話できると思ったのに、君たちはここじゃダメなのかい?」

「こ、こんなところでゆっくりなんてできないわ!」

あまりのサケの苦しそうにばたつかせる体が痛々しくて、ライオンはその大きな手でばたついているサケを川のほうへと押しやっていきました。
しかし、不器用なライオンのツメがサケの体に、時々当たって傷をつけてしまっています。やっと、サケが川の中へ戻れたときにはサケが怒っていました。

「まったく何するのよ!これだから土の上の生き物って嫌いなのよね!」

「ごめんよ、悪気はないんだよ。ここでも良いからお話できないかい?」

「あなたとお話しすることなんてないわ、近寄らないで!」

サケはライオンにそういうと川の中へ潜っていってしまいました。
ライオンはサケが潜っていった川の水面を眺めながら呆然としてしまいました。

「ぼくって、やっぱり周りに迷惑かけてしまっているのかなぁ。そんなつもりは全然ないんだけどなぁ…」

ライオンは自分の存在はどんなものなんだろうと考えていました。
でも、ひとつわかったことは水の中の生き物と陸の上の生き物はすむ世界がまったく違うんだと言うことでした。今回の出来事でライオンはそれが身にしみてわかったのです。

ライオンはまた、川の上流へと歩き続けました。
段々と川の幅も小さくなってきて、水も潮の匂いがしなくなってきました。

「ここならもう大丈夫かな?」

「ピチャ・・・」

水を恐る恐るなめてみました。ここはもう塩辛くありません。

ピチャピチャ、ゴクゴク…

歩き疲れてのどが渇いていたライオンは一気にお腹一杯になるまで飲みました。
そして、水辺に近い風の通る木陰で休憩することにしました。
そして、ちょっとウトウトしていました。
まぶたに浮かんできたのは草原を駆ける仲間達や兄弟、そしてみんながあこがれたあのメスの娘。

「あぁ、また、あの草原ですごしたいなぁ」

次第に夜の帳が下りてきて、ライオンはそのまま眠ってしまいました。
気がつくと、もう朝。木の枝の隙間から朝日がさしこんできて、心地よく包んでくれます。

ガサガサ…

物音に気付いたライオンは目を覚ました。
気がつくと、そこには森に住んでいるトラがいました。
トラは、ライオンを見つけた途端じっと見ています。
そしてゆっくり近づいてきました。

「あんた、この辺じゃ見かけない顔だな」

ライオンに話しかけてきました。自分と姿の似たトラに話しかけられて少しびっくりしています。

「あんた、ライオンだろう?親父から聞いた話じゃあんたらは群れで草原に住んでるって聞いてたけど、なんでこんな森の中に独りでいるんだ?」

「あぁ、川の下の方から水と餌を求めて歩いてきたんだ」

「ほう、あんたも餌を探しているのか。俺も大きな餌にありつけなくてさ、イナゴなんかの虫ばっかり食べてて、本当にお腹空いて困ってるんだよな」

「この辺には餌になるようなものはいないのかい?」

「いないこともないけれどな。しょっちゅう狩が成功するわけじゃないぜ。それにあんたみたいな、毛の色が一色だと森の中で狩をするのはちょっと無理だぜ。何せ、大きい体つかって獲物をとろうと思えば俺みたいに体に模様がないと隠れられないからな。隠れられなかったら、すぐに獲物に気付かれちまうよ」

「ぼくの体には模様がないから餌を捕まえられないって事かい?」

「そうじゃないさ、相手が先に気付いちまうって事さ」

トラの言うことももっともです。ライオンは気付きました。自分達の体の色は草原の枯れ草の中で隠れられる色ですが、トラは森の中の木陰の模様に似せてある模様なのだと。
やはり、ライオンは「ここは自分のいるべき場所なのではない」と感じていました。

そこへ偶然に森に迷い込んだ鹿の姿が見えました。
トラもライオンも久々の獲物です。狩の本能が騒ぎ出しています

「あんた、俺と一緒に狩しないか?」
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# by key_bo | 2006-06-25 14:27 | はぐれたライオンの物語 第1巻
気がつくとライオンは森にいた。

近くを流れる小川の心地よい音、

そして、木立の隙間からこぼれる陽射しが鼻をくすぐる。


「う~ん、僕は何故ここにいるんだろう…?」


そうつぶやいた後、彼は瞳を閉じた。

ふとまぶたに浮かぶのは草原を仲間達と駆ける場面

「ハッ」と眼が覚めた。

現実は違う、今は森の中にいる。

 

彼は歩き始めた。

森の中を小川沿いにあるいた。ひたすら歩いた。

いったい、どのくらい歩いたのか。

あんなに細々とした小川は段々と大きくなり大きな渓流となっていった。

喉が乾いたので水辺に入り水を飲んだ


「ぴちゃぴちゃ、ゴクゴク」


すると、ちいさなかにが歩いているのが彼の目にとまった。

水辺に住む沢がにだ。


「おーい、かにさん。一体ここはどこなんだい?教えておくれよ」


大きなライオンに呼びかけられたかには、ビックリして岩陰に隠れました


「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ、出てきておくれよ」


かには岩陰から顔を出し、覗いてライオンを見ています。


「あなたは、私達のことを食べたりしないの?」


「大丈夫だよ、僕達はお肉しか食べないから」


「よかった。でも、あなたこの森では見かけないわね」


「そうなんだ、気がついたらこの川のずっと上の方にいたんだ」


「かにさん、この森は一体どこまで続いているんだい?知っていたら教えておくれよ」


「私にも分からないわ、ずっとこのあたりに住んでいるからここから先に行ったことがないの」


「そうか、かにさんにも分からないのかぁ・・・。僕さ、もう歩くのに疲れちゃったんだ」


ライオンは苦笑いを浮かべた


「僕がここで休憩しても君が歩く邪魔にならないかい?」


「大丈夫よ、その時はあなたの上を歩いていくからじっとしててくれたらいいわ」


歩きつかれたライオンは水辺で休憩する事にしました。

かにさんは、せっせせっせと横歩きで歩いていきます。そして、住みかの穴を出たり入ったり…
その様子をライオンはずっと見ていました。

自分たちの姿と全く違うその姿や歩き方に妙に感心しながら、彼は見つめていました。

見ているとかにが歩く道にはいつも大きな石があって歩く邪魔になっていました


「かにさん、かにさん。その大きな石が邪魔にならないのかい?」


「そうなの、本当は邪魔なんだけど、私達じゃびくともしないから避けていくしかないの」


「じゃ、僕がどけてあげるよ」


ライオンは大きな手でゴロンと大きな石を動かしました。

でも、動かす時に大きな振動が!


「ドスン、ドスン!ゴロゴロ!ゴロゴロ!」


かにはビックリして巣穴に入ってしまいました。


「おーい、かにさん、大きな石、もうよけたよ。出ておいでよ」


「あー、ビックリした。あなたって力持ちなのね。」


「そんなことないよ」


「ありがとう、これで歩きやすくなったわ」


かにが嬉しそうな笑顔をうかべました。ライオンにはその笑顔が可愛くてたまりませんでした。

そして、彼ははじめて自分が誰かの力になれた気がしたのです。


ライオンはもうしばらくここにいることにしました。

かにのことをずっと見ていたライオンは彼女達が水の中に入っていくのを見ました。

ライオンはかにさんに聞いてみました。


「水の中ってどんな感じなんだい?」


「どんな感じって分からないわ、説明できないもの」


「実は僕、水は飲むけれど水の中に入るのって苦手なんだ」


「でも、水の中って気持いいわよ」


「そうなんだ、僕も勇気出して入ってみようかな」


ライオンは渓流の水がよどんでいるところへ足を入れてみました。


「水って冷たいんだね、でも、かにさんと同じ様に体がつかるくらいのところってもっと中に入らなきゃっダメだよね」


ライオンは渓流の深いところへ行こうとしますが、流れが激しくなってきて

なかなか深いところまで足を踏み入れられません。

それを見ていたかにさんは、


「それ以上、深いところに行くと危ないわ。もうやめておいた方がいいわ」


ライオンは流れに足を滑らせてしまい、水の中へ倒れてしまいました。


「バシャーン!」


驚いたライオンは急いで岸辺に戻りました。

濡れた毛からたくさんの水が滴り落ちます。体をぐるぐるっ、ブルブルっとして

体から水を振り払おうとします。

ライオンの体から飛んできた水滴は、雨粒の様にかにの上に降り注ぎます。


「ざざーっ」


「きゃあ!」


かには勢いのある豪雨のような水滴にビックリして、身を固めました。


「あぁ、かにさん、ゴメンよゴメンよ。大丈夫かい?」


心配そうに、身を固めたまま動かないかにを心配しています。


「あービックリした」


かにが動き始めると安心しましたが、ライオンは自分が動くと
かにに迷惑をかけてしまう気がしてなりませんでした。


「かにさん、僕が動くとかにさんに迷惑をかけてるみたいだね」


「そんなことないよ、ただ、ビックリしただけだから」


ライオンはかにの姿が見えている間はじっとしておこうときめました。

 

彼がここに来てから何日たったころか、嵐がやってきて大雨が降ってきました。

ライオンも木陰の草むらに雨宿りしています。

見ると川の水がふえて、かにの巣穴まで水に浸かろうとしているようです。

かにが避難してでて来ました。2匹の子がにを連れています。
でも、大粒の雨で歩くのが大変そうです。

ライオンは、すかさずかにの親子が歩いているところの上を一緒に歩きました。


「僕が雨宿りしている草むらにおいでよ」


「ありがとう、あなたが雨をよけてくれるのね」


「体の大きい僕にはこんな事しかできないからね」


ライオンは笑って言いました。

木陰の草むらにたどり着くと、体の水を振り払い草むらへ身をひそめました。

かにの親子はライオンが横になって休んでいる前足の隙間に身を隠して
雨が通りすぎるのを待ちました。

そして、子がにたちが眠りついた後、かにとライオンはいろいろお話をしました。

………

次の日の朝になるとすっかり雨もやみ、晴れ間が見えてきました。


「かにさん、もう雨止んだよ」


かにの親子は、ライオンの前足の隙間から出てきました。


「ありがとう、あなたのおかげで助かったわ」


かにの子供達も出てきてライオンにいいました


「ありがとう、ライオンのおじちゃん!」


「ライオンのおじちゃん一緒に遊ぼうよ!」


かにの子供達は、ライオンの体の上を歩いたり
顔のひげを珍しそうにながめたり、大きな口の中を探検ごっこしました。
その間、ライオンはじっとして動かずにいました。
自分が動くと、体の小さなかに達に迷惑がかかると思ったからです。

ひとしきり遊んだかにの子供達は満足して、お母さんの所へ駆け寄りました。


「ねぇねぇ、おかあさん、ライオンさんの体の上って高くって眺めがよくって気持いいんだよ」


「ライオンさんのおひげって、なにするものなの?なんで私達にはないの?」


かにの親子はたくさんたくさんお話をしました。

ライオンはそんな風景を和やかに見つめていました。

渓流はまだ水が増えたまま、かにの親子は巣穴にまだ戻れません。
水が引くまでかにの親子はライオンの休んでいる草むらに隠れる事にしました。
天敵の狸が、いつもえさを探して森の中をうろうろしているからです。

ライオンはかにの親子がゆっくり休めるように出きるだけ動かない様にしていました。

すると、いつもかにの親子がいるこの場所をねらって、狸が現れました。

草むらにいるライオンに気付かずにかにの巣穴の近くにいって
かにの親子がいないか狙って探しています。


「ライオンさん、あの狸がいつも私達のことを狙っているの、だから隠れさせて!お願い!」


「いいよ、ここに隠れていなよ」


しかし、子がにが一匹、ライオンのいる草むらに隠れるのが遅れしまって、
向こう側の小さな草むらに隠れていますが、草むらから片方のはさみが
はみ出て見えています。ここままでは狸に見つかってしまいます。


「やはは、見つけたぞ~。子がにちゃん、出ておいで~」


小さいはさみが、とうとう狸に見つかってしまいました。
じりじりと子がにのいる草むらに近寄る狸。


「ガォーッ!」


ライオンは飛び出して狸を脅かしました。


「ぎゃー、ラ、ライオンだぁ!た、た、食べないで~!た、助けて~」


一目散に逃げていきました。
かにの親子はライオンに感謝しました。


「ライオンさん、ありがとう。おかげで子供が助かったわ」


「ライオンのおじちゃん、ありがとう!」


「おじちゃん、すごく強いんだね。あの怖い狸がいっぺんで逃げていっちゃった」


「ははは、僕の生まれたところでは全然強くなんかないんだよ」


「そんなことないとないよ、ライオンさん。こうやって私達を守ってくれたじゃないの」


「ありがとう!ライオンさん」


ライオンは、かにのその笑顔が見られるだけで今幸せでした。
すると、かには泡を一杯出してその泡の中で震えています。

ライオンには、そのかにの愛情表現を理解できませんでしたが、
ライオンもなんだか嬉しい気持になって、それをずっと眺めていました。
そして、ライオンも心が和んでいくのを感じたのでした

「誰の、なんの役に立てない」と思っていた自分が、誰かのためになったのですから。

……

しかし、その心のしあわせも長くは続きませんでした。
何日も餌になるものを口にしていない彼は、とうとう動けなくなってしまいました。
ライオンを心配したかには、しょっちゅうライオンの様子を見にきては声をかけました。


「ライオンさん、どうしたの?大丈夫なの?」


「心配しなくていいよ、かにさん。おなかが減って動けないだけだから…」


「私達が食べる水コケは食べられないし、ライオンさんの体の大きさに足らないし…どうすればいいの?」


「何もしなくてもいいよ、かにさん…」


そんなライオンとかにの言葉のやり取りもしらず、子がに達は、そんなライオンの体に登ったり、ひげが動くのを見てたりと無邪気に遊んでいました。

そして、ライオンはついに水も飲みに行けなくなってしまうほど、衰弱してしまいました。
かにさんは、その様子が目にとるようにわかって何もできない自分にもどかしさを感じていました。


「ライオンさん、しっかりして。狸が来たら守ってよ、私達食べられちゃうよ!」


「ゴメンね、かにさん、僕もう動けないんだ。多分、もうすぐお別れなんだ…」


ライオンは、時々意識が薄れていくの感じていました。
そして、眼をあけた時にはいつも心配そうなかにが目の前にいるのが見えました。
そして、かにに語りかけました。


「かにさん、次に生れ変るならライオンじゃなくて”かに”になって生れ変りたいな…」


「そうしたら、かにさんと一緒に過ごせるし、子がにちゃん達とも遊べるし…」


「何言ってるの!いなくなっちゃダメだよ!しっかりして!お願い!」


「ゴ…メン……ね…」


ライオンは目をつむって、もうあけられなくなってしまいました。
かにさんの声は聞こえますが、応えることもできなくなってしまいました。
どんどん、意識が遠のいていきます、そして、真っ暗な闇の中へ引き込まれていきます。

……

その真っ暗な闇の中を歩いていました。
体の重さを感じなくなったライオンは、ひたすら歩いていました。

彼の見ている方向のその遥か彼方に、ひとすじの光が見えてきました。
無意識のうちにその光に向かって走りだしました。

その光りの先にあったのは…<続く>
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# by key_bo | 2006-04-27 07:00 | はぐれたライオンの物語 第1巻

喜びの歌





美しい空の下に 

明日が見える 見える

東から 西から

人が集まって

大地を踏み鳴らし

鉄を溶かす灼熱の炎のように

強く激しく高らかに

喜びの歌 響け





清らかな川の流れは

見知らぬ友に 友に

幸せを伝える

語り部となって

波と波めぐり

いつの日にか理想の都に

こだまする

美しい言葉 高らかに

喜びの歌 響け




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# by key_bo | 2006-04-03 21:11 | 歌詞
どうすればいいのかな・・・。

なんだか歩くのに疲れちゃった・・・。

足を停めてみても、なあんにも変わらないし・・・。

誰かに話したって、気が晴れるだけで、状況は全然変わらないし・・・。

何かしようとしても、何かが足を引っ張ってる

いま、そんな感じかな?


それが誰かが何かをしたからとか、誰のせいだとか、

そんなことは言いたくもないし、思いたくもない・・・。

そして、そんなことが原因じゃないし・・・。


「悪い」としたら、結局『自分』自身なんだろうな。


でも、自分の人生を絶つような勇気もない…。

よく、自殺を考える人やそれを実行する人がいるけれど

その気持ちは分かるけれど、そこまで自分を捨てる気になれない。

やっぱり、自分は弱虫なのかもしれないな・・・。

だから、余計にそんな自分がイヤになる。

全く、このままじゃ悪循環だ。


これって軽い、うつ状態なのかな・・・。
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# by key_bo | 2006-02-26 14:39 |

今日は嬉しいことばかり

今日は嬉しいことばかりだったよ。


雪が降ったけど、綺麗に晴れた

       ・・・綺麗な銀世界をみたよ


街角の椿の花が綺麗に咲いていた

       ・・・綺麗だったなぁ


いつもの角の、いつもの犬が喜んで
ナデナデさせてくれた

       ・・・ワンちゃん、可愛いなぁ


大好きな猫ちゃんが「ニャーン」と
寄ってきて、ゴロゴロのどを鳴らしている

       ・・・ナデナデ、おーよしよし


気になるあの子に電話をかけた

       ・・・お話できた!いろんな事話したよ


想像してた声と違ったけど、

       ・・・想像してた通りのひとだった


そして、もっともっとあの子の事を知りたくなった。

今日は、あの子にとってもいい日だったかな・・・

       ・・・そうだといいな。
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# by key_bo | 2006-01-28 19:37 |
クリスマス、サンタさんがやって来る日。

そう思っていたのは、小学生までのことだった。

中学・高校で変に大人ぶって、カッコつけるようになって

サンタクロースなんて信じなくなった・・・。

社会にでてから、クリスマスは大人が作ったイベントと感じた。

忙しいばかりで、夢を見るのがばかばかしくなっていた。

そう、あの時、君に出逢うまでは・・・。


クライアントの思いつきの一言で、クリスマスだというのに

街中を歩き回わされる羽目になった僕は、依頼のものを探して

ある商店街へやってきた。

歩きつかれて立ち止まった、ちょうどそこには自販機。

温かい缶コーヒーをかった、その横の壁にもたれながら、プルリングを引く。

陽射しが缶の口から立つ湯気に差し込んできれいだ。

そんな時、ふと、女の子の声に気づいた。

サンタの赤い衣装を着た女の子がケーキ屋の前で売り子をしていた。

でも、最近流行のミニスカート・ぴったり上着じゃない。

だぶだぶの本当のサンタの衣装をそのまま着せたような・・・

歳の頃は20代、セミロングの髪、特別美人ってワケじゃないけど

可愛い表情してる、時々見せる笑顔に・・・しばし見とれる。


「ケーキはいかがですか~、クリスマスのケーキはいかがですか~」

透き通るような声が、街頭に響く。


僕は缶コーヒーを飲みながら、ずっとその様子をみていた

ポツリポツリ、お客さんがケーキを買っていく

お手ごろの大きさのケーキは売れていく、

でも、大きなサイズのケーキはなかなか売れていかない。

30cmものみたいだったから、よほどの多人数でないと食べきれないだろうな

そんなことを思った。飲み終わった缶を赤いダストボックスへ放り込んだ。

次の品物を探してまた、僕はまた歩き始めた。

・・・・・・・・・

クライアントの元へそろえた依頼の品物を届けた帰り道

さっきの可愛いサンタさんのいた商店街を通りかかった。

夕方になり、通勤の人たちに混じって、若いカップルが肩寄せ歩いてる

あのケーキ屋さんが気にかかり、何気なく自動販売機の前までいった。

案の定、ケーキがひとつだけ残っていた。

・・・しかも、一番大きい30cmのケーキ


「ケーキはいかがですか~、クリスマスのケーキはいかがですか~」


3割引にしても売れない、彼女にとって見れば最後の一個を売ってしまいたいだろうな

そんなことを思いながら、500円玉をいれ缶コーヒーをかった。

「ゴトン!」

取り出し口に出てきた缶を取り出そうとしたとき

足が滑って、自販機に手をついてしまった。

「ゴトン!」

もう一本、缶コーヒー、しかもカフェ・ラテが出てきた。

しまった!と思いつつもあきらめる。

仕方がない、持って帰るか・・・

コートのポケットへしまいこんだ。


ケーキ屋の前を通りかかった僕は、ふと彼女の笑顔と眼が合った。

「ケーキいかがですか?3割引でお安くなってますよ!」

にっこりとした笑顔で呼びかけられた。

コンビニやファストフードの店員のような営業スマイルじゃない本物の笑顔だ。

僕の心は一瞬、その笑顔につかまれた。

思わず立ち止まる僕

「いかがですか?」

「これ、ひとつだけ?」

なんだか、大きなケーキを買うのも気が引けた僕はわざと聞いてみた。

「ごめんなさい、これが最後なんですよ。でも、3割引でお買い得に
 なっていますから、いかがですか?」

「じゃぁ、それもらおうかな」

財布からお金を取り出す。

そのとき財布の中に雑に入れていたカードやら名刺やらを

地面に落として、ばらまいてしまった

あわててそれを拾う僕、彼女も台の下に落ちたカードを拾ってくれた。

お金を渡して、おつりをもらう。

手渡されたケーキの箱を包んだ赤い買い物袋。

僕の堅いコート姿には、全然似合わない。

まるで、「子供にお土産を買って帰るお父さん」みたいだな・・・。

ケーキ屋のショーウィンドウのガラスに映った自分の姿をみて

僕は苦笑いを浮かべた。

「ありがとうございました!」

満面の笑みでお辞儀をする彼女

なんだか、達成感に満ちたうれしそうな笑みだ。

財布を入れたポケットにさっきの温かい缶コーヒーが手に触れた。

「この寒い中、ずっとケーキ売ってたんでしょ?これ、どうぞ」

温かい缶コーヒーを差し出す

「えっ?」

一瞬、驚いたような表情、でもすぐ笑顔になって

「ありがとうございます。実はすごく寒かったんですよね」

両手で缶コーヒーを受け取ると、頬に当てて気持ちよさそうに微笑んだ。

何だか、胸の奥でキュンとした感じがした。その表情が忘れられない。


なんだか、素敵なものに出逢ったような気持ちを抱えながらケーキ屋を後にした。

アパートのいつもの寂しい部屋の中、電気をつけてテーブルにケーキをおいた。

子供の頃にはあんなにうれしかったクリスマスなのに

今なぜこんなに嬉しくないのかな・・・。

着替えもせずにベッドに寝転んだ。

・・・プルルル、プルルル、プルルル・・・

うん?登録にない人からの着信だ、誰だろう?

「はい、もしもし!」

「あ!あの先ほどケーキを買っていただいたお客さんですね」

「あぁ、さっきの店員さん?」

「あの、先ほどの会計の時に、名刺とキャッシュカードを落とされてたんです。
 で、キャッシュカードなら困るんじゃないかなって思って、名刺にあった
 携帯番号に電話したんです」

「え?キャッシュカード?」

コートの財布のなかを見ると、キャッシュカードが確かにない。

彼女の言葉は続いた。

「先ほど頂いた缶コーヒーのお礼に私がお家までお届けしようと
 思うんですけどいいですか?」

「あぁ、無理しなくてもお店に預けておいてくれたら取りに行くよ。
 あなたがいれば 他の人に渡してしまうこともないだろうし・・・。」

「実は、私のアルバイトはクリスマスまでなんです。出来れば確実に渡したいんです。」

「う~んじゃ、今から説明するところまで来てもらえますか?」

アパートまでの道、アパートの角にあるポストを説明する。

「その辺にきたらまだ電話をいただけますか」

「はい!」彼女の声が素敵に聞こえた。
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# by key_bo | 2005-12-25 19:37
ある晴れた日、のどかな昼下がり

綺麗な景色と空気を楽しみながら、

ふと考えていた、ふたりが出逢った時のこと・・・。


君と出逢った時、何かを感じた。

それが何かはわからなかった。

けれど、何かを感じたから君に話しかけたんだ・・・。



君は僕と似ていて・・・だけど、僕と全然違う

感じているものは同じ・・・だけど、見方が違う

これまで過ごしてきた時間は

二人ともまったく違う道だったのに・・・

君には僕にないものがある

僕は君にないものを持っている


「私は普通だよ」って君は言うけれど

なにかが飛びぬけて特別だから魅力を感じるんじゃないよ

君自身が持っている光が、

僕には特別な光だから

魅力を感じるんだよ



君は笑顔が似合う人

きっと悲しいことも苦しいこともあったはず

ちっとも、そんなそぶりは見せない


僕はそんな君に笑顔をみせてもらえるかな?

君の笑顔のもとになれるかな?


僕は君を特別に想う人になってもいいのかな

そして、君は僕をどうおもってくれているのかな・・・。


だから、君のこと もっと知りたい・・・


あの青空をぼんやり眺めて、君を思っていた

のどかな昼下がりの午後・・・。
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# by key_bo | 2005-12-12 21:00 |

きかせて

窓は開けたままで 話を聞かせて

手紙もくれなかったね

その人と居れば 素直になれるの?

きっと やさしい人なんだね


きかせて どうして 貴方は

   あの時 確かに ぼくを・・・・


あのころと 同じだね こうしていると

でも、それは 特別なことでなく

早いほうがいい 帰るなら・・・

早いほうがいいね・・・


きかせて どうして 貴方は

   あの時 確かに ぼくを・・・・


黙ってないで

   短い夜だから・・・

     涙をふいて

こんなに

   短い夜だから・・・


きかせて どうして 貴方は

   あの時 確かに ぼくを・・・・
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# by key_bo | 2005-12-01 16:30

Test

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# by key_bo | 2005-09-05 13:09